プログラミング」とは、コンピュータに指示を出すこと！？プログラミング」とは、「プログラム」を作成することです。皆さんは、「じゃあ、プログラムってなんだろう？と思われるかもしれませんが、簡単に言うと、コンピュータに実行させたい手順を順番に書いたものがプログラムです。

コンピュータは自分で考えることができません。例えば、泳いだことのない人に「泳げ！」と言っても、自分で考えることはできません。例えば、一度も泳いだことのない人に「泳げ！」と言うことはできません。例えば、一度も泳いだことのない人に、"Swim!"と言ってもダメですよね。まず、右手を前に出して、後ろの水をかき、左手を ....... に置く」と伝えなければなりません。

泳ぐ」という目的を達成するためには、一つ一つの動作を順番に説明していく必要があります。これは、コンピュータでいうところの「プログラム」の役割です。

人間は何となく次の動作を予想できますが、コンピュータにはその想像力がありません。一連の動きをコンピュータが読めるように厳密に命令（＝プログラム）する必要があるのです。

実は、私たちの身の回りには様々な種類の「プログラム」があります。......
そもそも、コンピュータとは関係のない様々な「プログラム」があります。入学式のプログラム、運動会のプログラム......なぜこれらを「プログラム」と呼ぶのでしょうか？

運動会のプログラムを思い出してみましょう。「1.運動会開会の挨拶」「2.校長先生のお言葉」「3.生徒会長の言葉」....... など、順番にやらなければならないことがたくさんあります。

プログラムとは、やるべきことを書いたTODOリストのことです。つまり、運動会や入学式のプログラムは、基本的にはコンピュータのプログラムと同じです。

唯一の違いは、"誰がそのプログラムに従うか？"ということと、"どのように指示を出すのか？"です。

運動会のプログラムの場合、プログラムを作るのは先生であり、プログラムに従うのは子供や親です。
コンピュータープログラムの場合は、プログラムを作るのは人間で、それを動かすのはコンピューターです。

どうやって指示を出すのか？というと、運動会プログラムの場合は「日本語」ですが、コンピュータは日本語を理解できないので、「プログラミング言語」で指示を出す必要があります。

スマホやゲームはすべてプログラムで動いている

身の回りの機械は、プログラムで動いています。

人が通ると点灯する照明は、仕組みをごく簡単に説明すると、センサーが反応したら点灯するようにプログラムされています。電気ポットや炊飯器、スマートフォン、ゲーム機などもすべてプログラムされています。

多くの製品が機械化・自動化されている時代には、私たちの働き方も大きく変化しています。多くの産業では、頭を使う仕事は人間、単純な仕事はコンピュータと、仕事が分担されるようになりました。

電卓が普及する前は、計算はすべてそろばんと紙で行っていました。今では、手で計算する機会はほとんどありません。もっと言えば、電卓だけでなく、エクセルを使う職場も多いですね。

このまま社会が発展していくと、今の子供たちが大人になる頃には、もっと多くのものが機械化・自動化されていることでしょう。

仕事をするためには、コンピュータに命令したり、コンピュータを使ったりする能力（＝プログラミング能力）が不可欠になります。そのため、プログラミング教育が義務化されているのです。

プログラミングができるとどんなメリットがあるの？

では、プログラミングができると、どんなメリットがあるのでしょうか？
コンピューターの使い方の幅が大きく広がります。
スマートフォンやタブレットをはじめとするパソコンは、便利なツールとして私たちの生活に定着しています。その一方で、パソコンに詳しくない人を狙った犯罪やトラブルが多発しています。

パソコンの仕組みを知らないと、使いこなせませんし、何より安心できませんよね。

パソコンに慣れるためには、できるだけ早い時期にパソコンの使い方を覚えることに越したことはありません。

今生まれた子どもたちが、死ぬまでコンピューターのない生活を送ることはほとんど不可能です。早くから「コンピュータの世界」の住人となり、利用範囲を広げていくことで、豊かで楽しい人生を送ることができるのではないでしょうか。

論理的に考える習慣を身につける

文部科学省がプログラミング教育の必修化を決定した「新学習指導要領」によると、「プログラミング的思考」は以下のように定義されています。
自分が意図する一連の活動を実現するためには、どのような動きの組み合わせが必要か、それぞれの動きに対応するシンボルをどのように組み合わせればよいか、シンボルの組み合わせをどのように改善すれば意図した活動に近づけるか、などを論理的に考える力のこと。

プログラミングというと、英語と数字で埋め尽くされたやや難しい画面 ....... というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。もちろん、それも間違いではありません。

しかし、プログラミング教育の必修化の目的は、コンピュータに手を出させることではありません。

プログラミングに必要なのは、物事の仕組みを理解し、順序立てて考えることです。これを「プログラミング的思考」と呼びますが、この思考法を身につけてもらうために必修化するのです。

将来の仕事や趣味につながるかもしれません

近年、日本のビジネス界では、IT人材の不足が叫ばれています。国内のWebビジネスを例にとってみても、2010年に10兆円だった市場規模は、2020年には47兆円と、約4.7倍に拡大しています。

また、いわゆる「2025年の壁」が近づいており、国内企業のシステムを総入れ替えする必要があります。

このような状況の中、ICT人材には、大学新卒でも年収700万円以上を提示する企業も出てきています。プログラミングスキルを持ち、ビジネスをまとめることのできるIT人材のニーズは今後も高まっていくでしょう。

もちろん、子どもたちが大人になる頃にはビジネスの世界も変わっているでしょうし、小中学生のうちから「将来のキャリア」を考えるのは早すぎるという意見もあるでしょう。

しかし、将来の夢に「YouTuber」や「ゲームクリエイター」がランクインしている今、子どもたちが早い時期にITスキルを身につけることはプラスになるのではないでしょうか。

プログラミングが趣味になれば、自分でスマートフォンのアプリを開発して、ちょっとしたサイドビジネスができるかもしれません。

プログラム的思考」を身につけることが目的なので、極端な話、プログラミングそのものの経験は必要ありません。また、パソコンやタブレット端末を使用しない「アンプラグドプログラミング」という手法もあります。

プログラミングの「考え方」を学ぶことで、物事を論理的に把握する力が身につきます。これが、プログラミング教育を必修化する最大の目的です。